墓じまいして後悔しました…
その9割は準備不足から生まれます。
そこで本記事では以下の内容を解説します。
- 墓じまいで後悔した体験談
- 後悔しないための対策
あなたが墓じまいで後悔しないために、先人が後悔した体験談や対策を知っておいてくださいね。

墓じまいで後悔した体験談&対策【10ケース】

「墓じまいをして後悔した!」という体験談と対策を10ケース紹介します。
①墓じまいの後悔|家族・親族と意見がぶつかる

墓じまいで後悔した体験でもっとも多いのが「家族・親族と意見があわなかった」です。
お墓に対する宗教観や固定概念は、親兄弟でも異なりますし、親族をあわせると必ず一人には反対されます。
具体的な体験談を紹介します。
- (親が)墓じまいしようとすると、子どもから反対された
- 墓じまいの話を持ちかけたところ、親戚から猛反対された
- 墓じまいした後に、兄弟との関係が悪化した
親兄弟であっても意見が違うことは多々ありますし、親戚にいたっては墓じまいを頭ごなしに否定する人だっています。
また、墓じまいした後に家族・親族との関係が悪化するパターンもあります。
後悔しないための対策|頭ごなしに否定せず意見をすり合わせる
お墓に対する意見のズレを埋めるために、お墓の扱い方について意思のすり合わせをしておきましょう。
例えば、親の立場として、子どもに迷惑をかけないために墓じまいを検討していても、子どもは必ずしもお墓を厄介なものと捉えていないこともあります。
むしろ、若い世代こそ「先祖代々のお墓を守るべき」と考えている可能性もあるのです。
お墓は一族の共有物なので、遠い親戚とも話し合う必要があります。
「縁起が悪い」と敬遠されがちな話題だからこそ、親兄弟・親戚が顔を合わせて、話し合いの場を設けることをオススメします。
意見のすり合わせが面倒という理由で、祭祀継承者(お墓の管理者)が独断で墓じまいをするのだけはやめた方がよいです。
②墓じまいの後悔|お寺との金銭トラブル

お寺の住職との金銭トラブルも、墓じまいで後悔するトラブルのひとつです。
墓じまいに際し、高額な離壇料を請求されたり、支払いを拒否すると墓じまい自体を拒否されるケースも多々あります。
よくある体験談を下記で紹介します。
- 長年の恩を引き合いに出され、300万円の離壇料を請求された
- 離壇料の支払いを拒否すると「埋葬証明書」を発行してくれなかった
住職から穏便に承諾を得られればOKですが、金銭トラブルに発展するケースも珍しくないのです。
なお、寺院墓地の場合、勝手に墓じまいはできません。
改葬手続きのためにお寺が発行する「埋葬証明書」が必要になります。
後悔しないための対策|お寺に礼節を尽くす
これまでお世話になったお寺の住職さんに、可能な限り礼節を尽くしてください。
礼節を尽くすとは、住職の言いなりになって高額な離壇料を支払うことではないです。
まずは、お寺に墓じまいの件を伝える際、決定事項ではなく”相談”という形をとりましょう。
あなたが住職の立場になって考えてみてください。
長年お墓を管理してきた住職からすると、相談もなしに墓じまいすると言われると心中穏やかではないはずです。
しかし、あなた(=墓地管理者)の経済事情や後継者不在の事情をきちんと説明すれば、理解される可能性は高くなります。
「お寺の住職さんとコミュニケーションをとって、礼節を尽くす」
お寺とのトラブル回避にはもっとも有効な手段です。
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③墓じまいの後悔|予算が足りなくなった

墓じまいの後悔のひとつに、墓じまいの予算が足りなくなることもあります。
墓じまいをするためには「墓石の解体・撤去」「離壇料」「新しい場所での納骨」など、100万円以上の費用がかかることもあります。
よくある体験談を下記で紹介しますね。
- 墓石の解体・撤去費用が想定より高額だった
- 親戚に費用負担を求めたが拒否された
- 予算不足のため、新しい納骨方法を変更してしまった
お墓の管理責任は祭祀継承者にありますが、現実的には親兄弟・親戚で共同で費用負担すべきです。
しかし、工事費用が想定より大きくなると、親戚に協力を拒否されたり、仕方なく新しい納骨方法を変更することも起こりうるのです。
後悔しないための対策|見積もりをとって綿密に予算を立てる
一般的に、墓じまいにかかる費用は30万~250万円程度と言われています。
費用のメインになるのは、墓石の解体・撤去工事です。
できるだけ費用を安く抑えるためにも、石材店の見積もりを複数とってください。
特にお墓が地方にある場合、石材店が見つからないこともありますし、墓地や霊園によっては指定石材店があるケースもあります。
しかしいずれにせよ、見積もりをしっかりとって綿密に予算を立ててください。
お金が原因で墓じまいを後悔しないように注意しましょう。
④墓じまいの後悔|進め方・手順を間違えた

墓じまいの手順を間違えて後悔してしまったという体験談もあります。
計画的に実行しなければ、墓じまい後に大変なことになりますよ。
では、よくある体験談を下記で紹介します。
- 墓じまいした後に新しい納骨方法に迷ってしまった
- 自治体・役所での手続きが遅れてしまった
- 遺骨を一時的に自宅に置かざるを得なかった
たとえば、家族の遺骨であれば一時的に自宅保管できるかもしれませんが、先祖代々の遺骨を自宅保管するのは抵抗がありませんか?
また、新しい納骨先が決まらないと、精神的に焦ってしまい、いつまでたっても遺骨が自宅にある状態が続いてしまいます。
後悔しないための対策|墓じまいの手順を頭に入れる
墓じまいすると新しい納骨先が必要なので、まず最初に新しい納骨先を決めるべきです。
遺骨の受け入れ先が決まらない場合は、墓じまいに取り組まないでください。
新しい納骨先が決まってから、家族・親族やお寺の住職に墓じまいの話を持ちかけてもいいでしょう。
なお、墓じまいの手続き・流れについては下記記事をご覧ください。

⑤墓じまいの後悔|新しい納骨方法に失敗した

墓じまいした後の、新しい納骨方法に失敗して後悔したというケースもあります。
具体的な体験談を下記で紹介します。
- 散骨したあとに遺骨が無くなって後悔した
- 自然葬を行ったので、遺骨を取り出せなくなった
遺骨を元に戻せなくなったという体験談があげられました。
後悔しないための対策|分骨する選択肢もあります
一度散骨や自然葬などを行うと、遺骨が二度と手元に戻らなくなります。
もしあなたが、散骨や自然葬をした後に遺骨を戻したくなるようでしたら、あらかじめ「分骨する」という選択肢を検討してはいかがでしょうか。
分骨しておけば「遺骨がなくて寂しい」「遺骨が手元に戻らなくて後悔した」ということは起きません。
なお、墓じまいした後に分骨するためには、現在の墓地管理者から「分骨証明書」証書を発行してもらう必要があります。
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⑥墓じまいの後悔|心の拠り所がなくなった

人間の心理とは不思議なものです。
墓じまいした後に、手を合わせるお墓がなくなって後悔するケースも見受けられるのです。
お墓は故人を偲ぶための場所であり、生きている人にとっては心の拠り所といっても過言ではありません。
では、よくある体験談を下記で紹介しますね。
- お墓という形がなくなって心にポッカリ穴があいた
後悔しないための対策|納得したうえで墓じまいする
墓じまいした後、先祖代々の墓地がなくなったことを後悔する人もいます。
この現実を心に入れておいてください。
後悔しないための対策は、ご自身や家族親族とよく検討したうえで墓じまいを実行することです。
特に、永代供養や散骨などを選択すると、物理的に供養の対象がなくなります。
故人を偲ぶ方法はいろいろありますが、有形か無形かで気持ちの持ちようが変わるかもしれません。
大事なことなので再度お伝えします。
墓じまいする前は、早く処分したい気持ちが先走ってしまいます。
しかし、実際に墓石がなくなると冷静になる人もいるようです。
そして、言い知れぬ喪失感に襲われる場合もあることを知っておきましょう。
⑦墓じまいの後悔|想定以上に時間がかかった

すぐ終わると思っていた墓じまいが、想定以上に時間がかかって後悔したという体験談もあります。
墓じまいにかかる時間は半年から1年くらいが一般的。
目安とはいえ、最短でも6カ月はかかることを頭に入れておいてください。
さらに、身内やお寺との話し合いがこじれると、墓じまいがさらに長丁場になる可能性もあります。
よくある体験談を下記で紹介します。
- 墓じまいが完了する前に体調を崩してしまった
精神的な疲弊を伴うのみならず、金銭的な負担も大きくなる可能性があるので注意です。
後悔しないための対策|よく考え、早めに決断する
墓じまいは長丁場になることを想定して、早めに決断することが重要です。
あなただけでなく、誰もが面倒なことを避けたいのは当然です。
しかし問題を先延ばしにしても解決しません。
しっかり考えたうえで、「墓じまいしよう!」と思った時点で、行動し始めるのが得策です。
重い腰を上げて墓じまいを開始したのはいいものの、期待通りに進まない事態も想定されます。
「もっと早くから始めておけばよかった」と後悔しないように、思い立ったらすぐに取りかかるといいです。
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⑧墓じまいの後悔|墓じまいを誰が進めるか問題
代々つづくお墓の場合、関係者となる親族もおおくなります。
そんなとき起こりうるのが「だれが墓じまいを進めるのか」問題。
寺院とのやり取りや石材店への相見積もり、行政との書類のやり取りなど、多岐にわたる墓じまいの工程をだれが担当するのかで揉めるケースもあります。
よくある体験談を下記で紹介します。
- 寺院との話し合いを誰が進めるのか決まらない
- 費用負担の割合で揉めてしまった
親族間でのトラブルが費用負担にもひろがり、後悔してしまったというケースが起こりうるのです。
後悔しないための対策|相続割合や関与度で公平に分担する
お墓の関係者が多い場合は、相続割合や何かしらの基準で負担割合を決めると良いです。
墓じまいをすすめる工程においても、(可能であれば)役割を決め、ひとりが全てを負担することがないように気を付けたいところです。
⑨墓じまいの後悔|霊園・墓地の規約の見落とし
お墓を管理する霊園や墓地には、お墓に関する管理規約があります。
墓じまいの後悔として、規約の見落としや「そもそも規約が見つからない」といったケースがあります。
よくある体験談を下記で紹介します。
- 管理規約が見つからない
- 管理者と連絡がとれない
- 指定石材店があるのか不明
後悔しないための対策|管理規約を確認しておく
管理規約が見つからない、管理者と連絡がとれないといったケースは対処が難しいですが、、、
もしも管理規約が見つかるのなら、墓じまいをすすめる前に必ず確認しておいてください。
⑩墓じまいの後悔|言った言わない問題
墓じまいについても「言った言わない」問題は発生します。
とくに、費用面については家族・親族間で行き違いが起こりうるのが実情。
墓じまいを済ませたあとに、「費用を負担しない」「墓じまいすべきでなかった」と言われるケースがあるのです。
- 費用を負担するといったのに撤回された
- 工事業者と、日程や費用で認識が違った
- 墓じまいすることを”後から”反対された
後悔しないための対策|写真と文章で記録を残しておく
言った言わない問題の対策は、「記録を残しておくこと」に限ります。
家族や業者とトラブルになる前に、「合意文章・領収メモ・写真」などの記録を残しておきましょう。
家族・親族との連絡についても、電話だけでなくテキスト(メール)なども併用できたらよいですね。
とくに、費用負担のことで揉めることが多いので、費用がかかったら必ず領収書をとっておくように意識してください。
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墓じまいで後悔した体験談【まとめ】あらかじめ対策しましょう!

本記事では墓じまいして後悔した体験談や後悔しないための対策を解説しました。
人生で一度あるかないかの墓じまい。
知り合いやご近所さんにも墓じまいを経験している人は少ないので、わからないことが多く戸惑うかもしれません。
もし壁にぶち当たって悩んだら、本記事を参考に対策をねってください。
また、時代の変化とともに宗教観やライフスタイルも変化しています。
今後、お墓を手放さざるを得ないケースは増加すると予想されます。
墓じまいで後悔しないためにも、できる限りの準備をして臨んでくださいね。
なお、墓じまいとはなにか?費用や手続き・流れ、トラブル対策などを下記記事にまとめています。
