墓じまいでトラブルは起こるの?
人生で一度あるかないかの墓じまい。
墓じまいするかしないか、考え、悩み、やっとこさ決断できたのに、トラブルに巻き込まれたら最悪ですよね?
しかし、実は「墓じまい=トラブル」と広辞苑に載せてほしいほど、墓じまいにはトラブルが付きものなんです。
そこで本記事では、墓じまいでよくあるトラブル事例を3つのタイプ別から紹介します。
墓じまいのトラブル解決法も解説するので、最後まで読んでくださいね。
墓じまいのトラブル|3つのタイプを紹介!
墓じまいでよくあるトラブルは、主に下記3つに分けられます。
墓じまいで関わるすべての人間関係において、トラブルが起きる可能性があります。
しかも、墓じまいには高額な費用と損得勘定がはたらくので、トラブルが起こるリスクが高いのです。
それでは、次章から墓じまいのトラブル事例と解決法を紹介します。
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墓じまいのトラブル事例と解決法【お寺・霊園】
墓じまいでは、お墓のあるお寺や霊園とトラブルになるケースが多いです。
墓じまいすると、代々お世話になった寺院から離檀することになるので、離檀をめぐるトラブルが起こりうるのです。
ここでは墓じまいにおけるお寺・霊園とのトラブル事例や解決法を解説します。
高額な離檀料を請求される
お寺とのトラブルで一番多いのが、高額な離壇料を請求されるトラブルです。
本来、支払い義務のない離壇料ですが、墓じまいに反対する住職から、高額な離檀料を請求するケースが多発しているのです。
離檀料を高額請求する理由は、墓じまいとは檀家をやめることを意味し、今後、お寺の収入が減少してしまうからです。
トラブルの解決法は、たとえ墓じまいをすることを決めていても、まずは「相談」という形でお寺に話をもちかけることです。
先祖代々お世話になった感謝を述べたうえで、墓じまいを検討している事情を相談するとよいです。
お寺が遠方だとしても、可能であればお寺に直接出向いて、お寺に礼儀を尽くしたうえでコミュニケーションをとりましょう。
なお、下記記事では墓じまいの離檀料についてくわしく解説しています。
墓じまいを拒否される
お寺から高額な離檀料を請求されなかったとしても、お寺が墓じまいに非協力的な対応をとるケースもあります。
たとえば、「埋葬証明書の発行」がお寺から拒否されるケースもあるのです。
※埋蔵証明書の発行は「遺骨を取り出す」際に役所への提出が必須です。
トラブルの解決法は上記ケースと同様。
お寺の住職に礼儀を尽くしてコミュニケーションをとることです。
令和に入り、故人の子ども・孫の世代になると、お寺との付き合いは希薄になっているものです。
お寺との関係が希薄な状態で、突然「墓じまいしたい」と話をもちかけても、住職の立場になると気分を悪くするでしょう。
お互いのコミュニケーション不足がトラブルの原因になるのです。
墓石の解体工事を拒否された
お寺の境内にお墓が立っている場合、墓じまいにはお寺の許可が必須です。
突然、石材店の工事業者がやってきて、境内のお墓を解体・撤去することはできないのです。
そういった場合、お寺が墓石の解体工事を拒否することもやむを得ません。
トラブルの解決法はやはり、先祖代々お世話になったお寺に礼儀を尽くすことです。
墓じまいを実施する前から、お寺と丁寧にコミュニケーションをとるべきなのです。
墓じまいをスムーズに進めるために、お寺との信頼関係をガッチリ固めておきましょう。
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墓じまいのトラブル事例と解決法【家族・親族】
墓じまいでは、家族・親族ともトラブルに発展するケースが多々あります。
お墓に対する価値観は、家族・親族でも異なるので意見が食い違うことがあるのです。
ここでは墓じまいにおける家族・親族とのトラブル事例や解決法を解説します。
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墓じまいすること自体に反対された
墓じまいをするとは、今あるお墓を撤去する必要が生じます。
家族・親族のなかには、お墓を壊す(移転する)こと自体に抵抗を感じ、反対する方が多いです。
トラブルの解決法としては、墓じまいをおこなう合理的な理由をしっかりと何度も伝えることです。
お墓を管理することの経済的な負担や、お墓の維持・管理の大変さをしっかりと話し合うことが大切なのです。
なお、墓じまいの件数はここ10年で2倍に増加しています。
下記記事で、墓じまいが増加する理由を紹介しているので、家族・親族と話し合う際の予備知識として読んでおいてくださいね。
墓じまい後に関係が悪化する
墓じまいした後に、家族・親族との関係が悪化してしまうケースもあります。
「墓じまいすることを知らなかった」「そもそも墓じまい自体に反対していた」といった理由が主な原因です。
身近な親兄弟や親戚だけでなく、これまで付き合いのなかった親族が突然、不満を伝えてくるケースも多々あるのです。
トラブルの解決法は、お寺・霊園とのトラブルと同様。
墓じまいを実施する前に、家族・親族に相談して同意をとっておくべきです。
先祖代々続いてきたお墓を解体・撤去する墓じまいは、家族・親族にとっても重要な出来事です。
血縁関係のある身近な存在だとしても、礼節を尽くして、丁寧なコミュニケーションをとることで、お互いに納得できる結論を出してから墓じまいを実施してください。
墓じまいの費用を負担しない
墓じまいの費用相場は30~250万円ほど。
閉眼供養のお布施、お墓の解体・撤去費用、新たな供養方法など、決して安くないお金が必要です。
墓じまいの費用をお墓の管理者だけで負担するのは現実的ではないですが、家族・親族が費用の一部を負担してくれないケースが多々あるのです。
しかし、親族のなかには「口は出すけど金は出さない」という厄介な人もいます。
費用の押し付け合いが、金銭トラブルに発展することだって考えられます。
トラブルの解決法は”理想論”になってしまいますが、墓じまい前にしっかりと話し合って、親族間の費用分担を明確にしておくことです。
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墓じまいのトラブル事例と解決法【石材店】
墓じまいでは、石材店に墓石を解体・撤去工事を依頼するのが一般的です。
実は、工事を担当する石材店ともトラブルになる可能性もあります。
ここでは墓じまいにおける石材店とのトラブル事例や解決法を解説します。
相場より高額な費用を請求された
墓じまい(墓石の撤去・解体工事)にかかる費用は8~10万円(1m×1m)ほどが相場です。
しかし、地方部や田舎には相場があってないような地域もあります。
また、墓地の立地が悪いところや、重機が作業人員が必要な場合、相場より高額な費用が請求されることがあるのです。
工事後に、見積りより高額な費用を請求されることもあります。
トラブルの解決法は、工事前に複数の石材店から見積もりをとることです。
見積もりの際には、直接お墓を見てもらって墓石の状況や重機の入り口などを確認してもらいましょう。
現場を確認してもらえば、必要な人員や工期などの検討がつくため、見積もり金額から大幅な相違は生じないはずです。
なお、下記記事では墓じまいの費用についてくわしく解説しています。
お寺・霊園に指定石材店がある
お寺・霊園によっては指定の石材店があるケースもあります。
本来は自分自身で複数の石材店を比較・検討したいところですが、指定石材店がある場合は石材店を選ぶことができません。
指定石材店があると、指定石材店以外の業者は工事に立ち入ることができないので、あらかじめお寺・霊園の管理者に確認することをオススメします。
工事のクオリティが低い
相場よりも安すぎる石材店に墓じまいを依頼すると、工事のクオリティが低いケースもあります。
お墓の移転なのに墓石を傷つけてしまったり、墓じまいの墓地をきれいな更地にできていなかったり、不法投棄するような悪質業者も散見されます。
トラブルの解決法は、相場よりも安すぎる石材店を選ばないこと、インターネットで石材店の口コミを確認することです。
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墓じまいのトラブルを未然に防止するコツ
墓じまいのトラブルを防ぐコツは「礼儀」と「コミュニケーション」です。
もしあなたがお墓の継承者であっても、お墓の関係者すべての方に”事前に”相談すべきなのです。
逆に、礼儀もなく、事前のコミュニケーションもとらなかった場合、トラブルが起こる可能性が高くなります。
お寺・霊園、家族・親族などの関係者へ、礼儀をもってしっかりコミュニケーションをとることで、墓じまいのトラブルを未然に防ぎましょう。
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墓じまいのトラブルの相談先
墓じまいにおいてトラブルが発生し、解決できる状況ではなくなった際は、国民生活センターや自治体の消費生活センターに相談するとよいです。
相談窓口は電話、対面どちらでも可能です。
もちろん、弁護士へ相談するのも選択のひとつですが、墓じまい以上の高額費用が必要になる場合があるのでしっかりした検討が必要です。
そのため、まずは国民生活センターや消費者センターに相談することをおすすめします。
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墓じまいでよくあるトラブルと解決法【まとめ】
本記事では墓じまいでよくあるトラブルと解決法を紹介しました。
トラブルを未然に防ぐポイントは「礼儀」と「コミュニケーション」です。
お寺や家族・親族、石材店など、すべての関係者が円満に墓じまいするのは至難の業です。
お寺の住職さんの考えもあれば、お墓に対する家族・親族の想いもあるからです。
そのため、墓じまいに取りかかる前に「墓じまいをしなければいけない事情」をしっかり共有すべきです。
墓じまいをする前に関係者に相談し、各人間関係で行き違いが生じないようすべきなのです。
お寺も親兄弟、親戚一同も、みんなが感謝の気持ちをもって墓じまいを完了できたら良いですね。
なお、墓じまいとは?費用や手続き・流れ、トラブル対策などを下記記事でまとめています。