墓じまいの離壇料をわかりやすく解説!
離壇料の相場や支払い義務の有無
離壇料をめぐるトラブルや対処法も解説しています。
「離壇料ってはじめて聞いた!」
墓じまいを検討している人が、初めて直面する謎が「離壇料(りだんりょう)」。
墓じまいの件数が急増するとともに離檀料に関するネット情報も増えていますが、実際に離檀料について知っている人は少ないのが実情です。
そこで本記事では、離檀料とは何かという疑問にお答えします。
墓じまいを検討している人は、離壇料のトラブルに巻き込まれないように本記事を読んでくださいね!
墓じまいの離檀料(りだんりょう)とは?支払い義務はある?
離檀料とは、お寺の檀家をやめる(=離壇)ときにお寺にお渡しするお布施の一種のこと。
これまでお墓を守っていただいたお礼や、先祖代々お世話になった感謝をあらわしたお気持ち代として包むお金が離檀料です。
寺院墓地にお墓がある家系では、寺院をささえる檀家となっており、管理費用としてお布施を払うことで寺院が成り立っていました。
しかし、墓じまい(お墓を解体・撤去)や改葬(お墓の引越し)をすると、寺院内からお墓がなくなるので、檀家をやめる(=離檀)ことになるのです。
また、墓じまいを進めるためには、お寺の敷地内に工事が入ったり、書類の手続きを住職に依頼したり、お寺(住職)の協力なしではスムーズに事が進みません。
離檀料には、これまでの感謝の意味もありますが、墓じまいに協力していただくための御礼としても理解すれば、納得しやすいです。
離壇料に支払い義務はある?
結論からお伝えすると、離壇料には支払い義務はありません。
そのため原則として離檀料の支払いは不要と言ってよいでしょう。
ただし、お寺との契約書(墓地使用許可書等)に離檀料に関する規定があれば話は別。
墓じまいする際には、離壇料を支払う義務が発生する可能性も生じます。
しかし、繰り返しますが、離檀料にはお世話になった気持ち代や墓じまいに協力していただく御礼代でもあります。
離檀料を包むか包まないかは檀家(=あなた)次第ですが、一般的には離檀料を支払う方のほうが多いです。
(スポンサーリンク)
墓じまいの離檀料の相場
離檀料の相場はいくらなのでしょう?
結論からお伝えすると、離檀料の相場は5~15万円ほどです。
お寺との付き合いの長さなどで離檀料は変わりますが、5~10万円ほどが多いと思われます。
しかし、離檀料はこれまでの感謝や御礼の気持ちとして包むものなので、食料品などの値段と異なり、相場はあってないようなものです。
なお、墓じまいする際には、離檀料のほかに閉眼供養の費用も発生します。
離檀料と閉眼供養とあわせて3~20万円を包んでお渡しするのが一般的な相場です。
下記記事では墓じまいのお布施の相場を解説しているので参考にしてくださいね。
墓じまいで離檀料のほかに必要な費用
墓じまいの際、離檀料のほかにも必要な費用を紹介します。
墓じまいにかかる費用・相場 | |
---|---|
合計 | 30~250万円程度 |
墓石の解体・撤去 | 15万円~50万円程度 ※8~10万円/㎡程度 |
魂抜き(閉眼供養) | 3~10万円程度 |
行政手続き | 数百円~1,000円程度 |
新しい供養先 | 5万円~150万円 |
墓じまいに必要な費用について下記記事で解説しているので、参考にしてください。
墓じまいの離檀料をめぐるトラブル&対処法
墓じまいの離檀料に関するトラブルと対処法を解説します。
不要なトラブルを防ぐためにもしっかりとご覧くださいね。
(スポンサーリンク)
離檀料によくあるトラブル
墓じまいの離壇料をめぐる「よくあるトラブル」は、以下のようなトラブルです。
- 墓じまいする旨をお寺に伝えたところ、数百万円の離檀料を請求された
- 埋葬証明書の発行と引き換えに高額な離檀料を払うよう強要された
墓じまいすることを許可しない寺院が高額な離檀料を請求するケースや、墓じまいに必要な埋葬証明書を発行する代わりに高額な離檀料を強要するケースが散見されています。
こういったトラブルはテレビ番組でも話題になっており、問題になっています。
しかし、離壇料の支払い義務はもともと存在せず、法律的な根拠もありません。
※墓地使用契約書に記載されていた場合は別です。
墓じまいの離壇料をめぐるトラブルが発生した場合、次の対処法にトライしてみてください。
(スポンサーリンク)
離檀料トラブルの対処法
離壇料をめぐるトラブルが発生した場合、以下の対処法を試してみましょう。
お寺の本山に相談する
お寺の本山に相談するのが一つ目の対処法です。
お寺はどこかの宗派に必ず所属しているので宗派を総括する本山(ほんざん)も必ず存在します。
離檀料に関して、お寺から高額費用を請求されたり強要された場合は、本山からの指導という形で取りなしてもらうのも方法の1つです。
なお、どの宗派においても離檀料の請求を正式に認めていません。
しかし、本山からの指導が行き届いていないお寺も存在するのが実情なので、本山から直接指導してもらうのは効果ありです。
お墓のある自治体に相談する
埋葬証明書の発行にひきかえ高額な離檀料を要求された場合、埋葬証明書を発行する義務を拒否していると解釈できます。
その場合は、お墓を管轄する市町村の自治体(役所)に問い合わせてください。
役所があなたと寺院を仲介してくれるわけではないですが、埋葬証明書に準ずる書類を交付してくれる可能性があります。
なお、埋葬証明書が必要な理由は一度納骨した遺骨は許可なく取り出してはいけないからです。
それを逆手にとって埋葬証明書を発行しようとしないお寺があると、遺族は遺骨を人質に取られた状況と一緒になります。
お墓のある市町村の自治体に相談することを検討してください。
弁護士や国民生活センターに相談する
墓じまいに関するトラブルでお困りなら、弁護士や国民生活センターに相談するのも一つの方法です。
全国的に墓じまいの件数が急増している現在、全国に同様の悩みを抱えている人が増えています。
同時に、過去の事例や対処法も蓄積されているのです。
参考になるアドバイスをもらえる可能性があるので、電話やメールなどで問い合わせてみてください。
トラブルを未然に防ぐ方法
「墓じまいでお寺と揉めたくない」
「スムーズかつ穏便に手続きしたい」
だれだってトラブルに巻き込まれたくないですし、未然に防ぐことができたら御の字です。
そこでトラブルを未然に防ぐために知っておくべきポイントを4つ厳選しました。
- 「相談」という形で墓じまいを切り出す
- 電話ではなく直接、お寺に出向く
- お寺とつきあいの長い親戚を味方につける
- 日頃からお寺と交流し、話しやすい雰囲気を作る
すでに墓じまいすることが決定していたとしても、まずは「お寺に相談する」という体裁で話を切り出しましょう。
経済的な事情や、お墓を管理できなくなる正当な理由を伝えたうえで、お寺に理解してもらうのが重要です。
その際、お寺へ直接足を運ぶことで住職さんに礼儀を尽くしましょう(住職さんに気持ちが伝わりやすいです)。
お寺とつきあいのある親戚に同行してもらうと安心ですし、ていねいな印象を与えます。
しかし、もっとも大切なのは普段からお寺と親しくすることです。
最初からお寺と良好な関係を築いておけば、いざというときに話を切り出しやすくなりますよ。
(スポンサーリンク)
墓じまいの離檀料【まとめ】感謝と御礼の気持ちがたいせつ
本記事では、墓じまいの離壇料の相場や支払い義務について解説しました。
基本的に、離檀料を支払う義務はありませんが、これまでの感謝の気持ちや墓じまいに協力していただく御礼として離檀料をお支払いするのが一般的です。
しかし、もしお寺から高額な離檀料を請求されたら落ち着いて対応しましょう。
あくまで冷静に対処することが重要です。
万が一、トラブルに発展した場合、お寺の本山や専門機関などに相談することをオススメします。
最後になりますが、下記記事では墓じまいとは?費用や手続き、トラブルなどについてわかりやすく解説しています。
墓じまいにかかるすべての手続きや費用がわかるので参考にしてくださいね。