墓じまいした後の樹木葬について解説!
- 樹木葬ってなに?
- 墓じまいから樹木葬する費用は?
- 樹木葬のメリット&デメリットは?
樹木葬に関するあなたの悩みが解決されます。

樹木葬って実際どうなの?
近年、「遺骨を自然に還す」という考え方にマッチした”樹木葬”が話題になっています。
従来のお墓よりも費用を安く抑えられることでも人気ですが、樹木葬には注意点があることも事実。
そこで本記事では、樹木葬の費用や注意点、メリット&デメリットなどを解説します。
>>墓じまいのその後【完全ガイド】遺骨はどうする?供養方法8パターンを解説

樹木葬とは、樹木を墓標とする供養方法のこと

樹木葬とは、墓石の代わりに”樹木”を墓標とする新しい供養方法です。
遺骨を粉骨(細かく砕き)し、樹木の下の土中に直接埋葬します。
これにより、遺骨は自然に還り、樹木や草花の栄養となり、やがて自然と一体化するのです。

墓石ではなく自然景観を重視しているんだね
樹木葬の種類とそれぞれの特徴を紹介!
樹木葬にはいくつか種類があるので、それぞれの特徴を下記にまとめます。
タイプ | 費用の目安 | 特徴 |
---|---|---|
公園型 | 30万円~70万円 | 一般的な墓地・霊園の一角に設けられたタイプ シンボルツリーを植え、周りに遺骨を埋葬するケースが多い |
里山型 | 10万円〜30万円 | 自然の地形を活かしたタイプ 山林や里山を整備し、その中に遺骨を埋葬する |
ガーデン型 | 50万円〜100万円 | イングリッシュガーデンなどの美しい庭園風に整備されたタイプ 花壇や芝生、低木などで彩られた庭園の中に遺骨を埋葬する |
公園型 樹木葬
公園型の樹木葬は、霊園や墓地の一角に設けられたタイプ。
シンボルツリーという墓標となる樹木の周りに、複数の遺骨を埋葬する供養方法です。
- 駅やバス停から近く、お参りしやすい
- 施設全体が整備されているため
- 高齢者や車いすの方でも安心して利用できる
- 寺院や霊園が管理するため、管理体制がしっかりしている
- 里山型に比べると、人工的な印象が強い
- 利用者が多いので、静かな空間を求める方には不向き
里山型 樹木葬
里山型の樹木葬は、山林や里山を整備し、自然の地形を活かしたタイプです。
自然の中に遺骨を埋葬し、個々の樹木や小さなプレートなどを墓標とします。
- 自然の景観が好きな方におすすめ
- ありのままの自然に還りたいと願う方に最適
- 静かな場所で心穏やかにお参りできる
- (山林や里山のため)アクセスが不便な場合が多い
- 車がないとお参りが難しい場合がある
- 自然のままの場所が多いため、足元が悪い場合もある
- 真夏の猛暑や、冬場の積雪などでお参りできない期間がある
ガーデン型 樹木葬
ガーデン型の樹木葬は、イングリッシュガーデンなどの美しい庭園風に整備されたタイプです。
遺骨は花壇や芝生、低木などの美しい庭園の中に埋葬し、個々のプレートや小さな花、石などを墓標とします。
- 明るくおしゃれで洗練された雰囲気
- 従来のお墓というイメージとは大きく異なる
- 個別の区画があるので静かに供養できる
- 手入れが行き届いており景観が美しい
- 公園型や里山型に比べると、費用が高くなる傾向がある
- 個別の区画でも、基本的には遺骨を取り出すことができない
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墓じまいした”その後”の供養方法【早見表】8パターン比較

墓じまいした後の供養方法について、早見表をまとめます。
>>墓じまいのその後【完全ガイド】遺骨はどうする?供養方法8パターンを解説

墓じまいした後、樹木葬するメリット【3選】
墓じまいした後、樹木葬するメリットは下記3点です。
従来型のお墓より費用を安く抑えられる
墓じまいした後、樹木葬にすると、従来のお墓より費用を大幅に安く抑えられます。
墓石を建立すると100万円以上の費用がかかりますが、樹木葬は10万円台~利用できる場合もあります。
管理・承継が不要になる
墓じまいした後、樹木葬すると、管理や承継が不要になるのがメリット。
そもそも、墓じまいした理由が「管理がたいへん」「継承者がいない」という方は、墓じまい後に樹木葬すると、そういった心配から解放されます。
「環境にやさしい」と考えられる
墓じまいした後に、樹木葬すると、遺骨が自然に還るので、環境にやさしく自然志向の方にピッタリです。
樹木葬が環境にやさしいと考えられる理由は「墓石を使わない」「遺骨が自然に還る」からです。
また、樹木葬には緑地や森林を活用するので、施設全体として環境にやさしいと考えられます。
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墓じまいした後、樹木葬するデメリット【3選】
墓じまいした後、樹木葬するデメリットは下記3点です。
遺骨をあとから取り出せなくなる
墓じまいした後、樹木葬すると、あとから遺骨を取り出せなくなるのがデメリットです。
樹木葬にて遺骨を埋葬すると、他の遺骨と一緒に自然に還るため、後から特定の遺骨を取り出せないのです。
樹木葬にした後、別の供養方法で供養したくなっても、それが不可能になることを頭においてください。
家族・親族から同意を得られない可能性がある
樹木葬は新しい供養方法なので、家族・親族から同意を得られにくいのもデメリットです。
とくに、高齢の親族にとって”樹木葬”はなじみのない供養方法です。
従来の「お墓」という概念から外れるので、理解が得られず、トラブルになってしまう可能性もあります。
アクセスが不便な場合がある
里山型などの大規模な樹木葬霊園は、交通アクセスの悪い山間部に位置していることがあります。
アクセスが悪いと、お参りに向かうのが大変ですし、気候や天候の影響も受けやすくなってしまいます。
ご自身が高齢になっても、もしくは高齢の親族の方でもお参りしやすいかどうか、事前に現地までのアクセスを確認することが大切です。
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墓じまいした後、樹木葬をえらぶ注意点【4選】
墓じまいした後、樹木葬をえらぶ際のポイントを4つ紹介します。
家族・親族から同意を得ておく
墓じまいして樹木葬する際、家族・親族から合意を得ておくのは大切です。
”樹木葬”は従来型のお墓とかなり異なるので、とくに年配の方から理解されにくい可能性があります。
後々のトラブルを避けるためにも、墓じまいと樹木葬について、家族・親族に丁寧に説明し、納得してもらうようにしましょう。
遺骨を粉骨するケースが多い
墓じまいした後、樹木葬にすると、遺骨を粉骨するケースが多いです。
埋葬方法や施設の区役によってケースはさまざまですが、土壌への還りを早くするために粉骨することが多いのです。
遺骨を取り出せなくなる可能性がある
樹木葬は、シンボルツリーの周りに個別に遺骨を埋葬するタイプと、複数の遺骨と共同で埋葬するタイプ(合祀タイプ)があります。
合葬式の樹木葬の場合、一度、樹木葬で供養すると、遺骨を取り出すことができなくなります。
「そもそも樹木葬にして問題ないのか」「樹木葬は合葬式でOKなのか」事前に確認することが大切です。
契約内容が多岐にわたる
樹木葬は、お墓の管理・供養が不要になる一方で、管理費や契約期間の有無など、契約内容が多岐にわたります。
とくに、契約期間が終了すると遺骨が合祀されるケースが多いです。
そのため、契約書をよく読み、不明な点はすべて質問してから契約しましょう。
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墓じまいして樹木葬するまでの費用

墓じまいして樹木葬にて供養するまでの費用をまとめます。
墓じまい&樹木葬の費用・相場 | ||
---|---|---|
墓じまい 30万円~250万円(相場) | 墓石の解体・撤去 | 15~50万円程度 ※8~10万円/㎡程度 |
魂抜き | 3~10万円程度 | |
離檀料 | 5~15万円程度 | |
行政手続き | 数百円~1,000円程度 | |
樹木葬 10~100万円(相場) | 公園型 | 30~70万円 |
里山型 | 10~30万円 | |
ガーデン型 | 50~100万円 |
樹木葬には3タイプあり、それぞれ費用が異なります。
>>墓じまいのお布施の相場【費用はいくら?】総額や内訳をわかりやすく解説

墓じまいして樹木葬するまでの流れ

墓じまいしたあと樹木葬へ納骨するまでの流れを解説します。
家族・親族に相談する

あなたの家族・親族に、墓じまいをして樹木葬する方針を相談してください。
もしも誰にも相談せず、墓じまい&樹木葬への納骨を進めてしまうと、大きなトラブルに発展する可能性があります。
「許可をとらずに墓じまいされた」「樹木葬されるなんて聞いてない」など、、、
トラブルを避けるため家族・親族から承諾を得たうえで、墓じまいと樹木葬への納骨を進めましょう。
墓地管理者に相談する

家族・親族から墓じまい&樹木葬の同意を得たら、つぎに墓地管理者に相談しましょう。
なかでも寺院が管理する墓地の場合、墓じまいを進める前に寺院(住職さん)にかならず相談してください。
住職さんの多くは墓じまいに協力的ですが、墓じまいを許可したがらない住職さんがいるのも実情。
墓じまいをスムーズに進めるため、墓地管理者への相談を欠かさないでください。
石材店から見積もりをとる

墓石の解体・撤去工事をおこなってくれる石材店をさがし、見積もりをとりましょう。
見積もり、2社以上からの相見積もりをとることをオススメします。
なお、墓地や霊園が指定する指定石材店がある場合は、指定石材店以外の石材店が工事をおこなうことは不可能です。
>>墓じまい代行業者13社【ランキング】費用・口コミ・失敗しない選び方を比較

新しい供養先を決める|樹木葬

遺骨を供養する新しい供養先を決めましょう。
本記事では「樹木葬」を選んだことを前提に、墓じまいの流れを解説します。
石材店と契約する

遺骨の新しい供養先が決まったら、見積もりをとっていた石材店と契約します。
役所で改葬手続きをする

墓じまいを進めるためには墓埋法で定められた書類手続きが必要になります。
手続きは墓地のある自治体・役所で行います。
墓じまい(改葬)に必要な書類 | |
---|---|
改葬許可申請書 | 墓地のある自治体役所にて発行 |
埋蔵証明書 | 現在の墓地管理者が発行 |
分骨証明書 | 火葬場もしくは寺院や墓地にて発行 |
承諾書 | 墓地のある自治体役所にて発行 ※墓地の使用者と改葬許可申請者が異なる場合 |
申請者の身分証明書写し | 書類の申請者の身分証明として発行 |
自治体にて改葬許可申請書が受理されると「改葬許可証」が発行されます。
改葬許可証が発行されると、遺骨を現在ある墓地から別の場所に移動できるようになります。
お墓を解体・撤去し、墓地を返還する

改葬許可証が発行されたら、墓石の解体・撤去工事および魂抜きの日程を決めましょう。
日程が決まったら、石材店に墓石を撤去・解体してもらいます。
墓地を更地にしたうえで墓地管理者に墓地を返還したら、墓じまいは完了です。
樹木葬する

墓じまいして取り出した遺骨を、樹木葬にて納骨します。
※樹木葬の施設との契約を済ませておく必要があります。
以上、墓じまいして樹木葬するまでの流れでした。
なお、墓じまいの流れについては下記記事でくわしく解説しています。

墓じまい後の「樹木葬」についてよくある質問
「樹木葬」とは、どのような供養方法ですか?
墓石の代わりに、樹木や草花を墓標(シンボル)としてご遺骨を埋葬する供養方法です。自然志向のお墓なので「自然に還りたい」と考える方に選ばれています。
樹木葬にかかる費用はいくらくらいですか?
10~100万円ほどです。年間管理費はかからない永代供養付きが一般的です。
樹木葬には、どのようなタイプがありますか?
「公園型」「里山型」「ガーデン型」などのタイプがあります。
ペットと一緒に入れる樹木葬はありますか?
はい、ペットと同じ場所に眠る「ペット共葬可」の区画を設けている霊園があります。ただし、対応している施設は限られます。
樹木葬にしたら、お花やお線香をあげてお参りすることはできますか?
はい、お参りできます。ただし、火気厳禁でお線香をあげられない場所や、景観維持のためにお供え物を置く共有スペースが決まっている場合が多いです。
シンボルツリーが枯れてしまったら、遺骨はどうなりますか?
遺骨は土の中にあるので、影響はありません。樹木の管理は施設側がおこなうので、植え替えなどの対応をしてもらえます。
「一代限り」の樹木葬とはどういう意味ですか?
「一代限り」とは、お墓の承継者が不要で、ご本人やご夫婦のみで利用が完結する、という意味です。原則としてお子様やお孫様は入れません。
遺骨は最終的に土に還りますか?
施設によって異なります。木綿の袋などに入れて直接土に還す方法と、骨壺のまま埋葬する方法があります。
宗旨・宗派を問わず誰でも申し込むことはできますか?
はい、ほとんどの民営霊園では宗旨・宗派不問で、どなたでも申し込むことができます。
樹木葬のデメリットや、契約前に確認しておくべき注意点はありますか?
樹木葬は、一度埋葬すると取り出せない、また親族の同意を得にくい可能性があります。事前に家族とよく話し合うことが大切です。
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墓じまい→樹木葬【まとめ】

本記事では、墓じまいした後、樹木葬するまでの費用や注意点などを解説しました。
承継&管理が不要で「自然志向」な方にピッタリの樹木葬ですが、注意ポイントがあるのも事実。
本記事にて、墓じまいした後に樹木葬するメリット&デメリットを参考にしていただき、樹木葬するかしないか決断してくださいね。
また、墓じまいとは?費用や手続き・流れ、トラブル対策などを下記記事で解説しています。
